体験談

債務整理の体験談

今、ここをご覧になられている方は、債務整理をご検討されている方だと思いますいます。

債務整理とはどういったものなのか、何をしてどうなるのかなどは様々なホームページですでにご承知のことかと思います。

私もつたない文章ですがこちらで紹介していますので、よろしければご一読さい。

ここでは、私が体験した債務整理を体験談としてご紹介します。

少し暴走して、小説みたいになっていますが、ぜひ最後までお付き合いください。

この体験談を通じて、借金で悩んでいる一人でも多くの方が、債務整理という選択肢を取っていただければ幸いです。

債務の海

秋も深まり、ともすれば冬の訪れを告げる初雪が辺り一面に雪化粧を飾る季節。

私は債務整理という辛酸な現実を受け入れることにした。

給料日が近づくたび、遊び心をくすぐるソーシャルゲームの運試しや、友人たちの誘う夜の誘惑に足を運ぶだけで、口座の数字は瞬く間に減っていった。

それでも僕の満たされない欲望は止まらず、無理を重ね、借金の加速を止めることができなかった。

そ気が付けば総額400万円。

ただの工場勤務の平社員には余りにも大きすぎる額。

これがマイホームやマイカーの成れの果てであれば何も問題はなかったかもしれない。

 

 

「借金で首が回らない」という言葉が毎日の生活に顔を出したのは、春が過ぎ夏が終わりを告げる頃だった。

支払いを滞らせ、振り込み用紙、催促の電話といった波状攻撃が徐々に私の本陣に迫りつつある。。

当初は対処可能な頻度であったそれは、時が経つごとに頻度をまし、私の本陣は圧迫感だけで白旗を上げそうになっていた。

 

 

家に帰ると、無言の圧力で私を疲弊させてくる、先鋒の振り込み用紙。

それを見るたびに、本陣陥落の予感が胸をよぎる。

見ることすら避けていた僕の姿勢に対し、敵ははさらなる一手を打つことになる。

そう、それは職場の電話だった。

 

本陣陥落。

抵抗の一切を諦めた瞬間である。

 

 

とは言ったものの、「無い袖は振れない」とはよく言ったもの。

諦めた所で払うものがない。

そこで、ない頭で絞り出したのが、全ての借金を一括して返済するための「おまとめローン」。

が、あえなく全滅。

すがる思いで出した援軍要請は、すべての金融機関から断られてしまった。

 

 

その中で、一筋の希望が見つかった。

債務整理である。

軽く情報収集した上で、その軍門に下り、借金の整理をする道を選ぶことに決めた。

すで本陣は陥落、援軍の希望も無く、他に選択肢があるとも思えなかった。

弁護士事務所を探し出し、手に汗を握りながら電話を掛けることにした。

幼い頃、怖がりながら夜の闇を見つめていた気分に似ていた。

一寸先は闇、どんな結末が待っているか予想もつかない。

 

 

電話をかける手は震えていた。

借金の返済で落ちていく数字とは逆に、私の心の重さはどんどん増していった。

ボタンを押す手は震え、声が喉から出るか心配だった。

声の震えも抑えることは出来ないだろう。

 

 

呼び出し音が切れる。

この時確かに、自分の心臓の音が聞こえていた。

相手が名乗る。

それは、優しそうな女性の声だった。

弁護士事務所の策略か、はたまた純粋なやさしさか。

優しくも、どこか安心出来るその声に、救われた気がしたのは、今でも鮮明に覚えている。

 

 

 

告白

 

 

債務整理のお願いをしたい。

そう切り出した。

余りにも愚かな理由で膨れ上がった借金。

勿論、その理由は問われるだろう。

誰にも言えなかった最高機密とも言うべき借金の理由。

それを、未知の女性に打ち明けることになるとは、思ってもいなかった。

他人に言えば、幻滅されるだろう。

親に言えば烈火の如く怒り狂うに違いない。

彼女が私のことをどう思うのか、その先が見えなかった。

 

 

しかし語らねばならない。

こうなった原因は全て自分にある。

馬鹿馬鹿しい理由で借金を重ねてしまった。

無計画な遊びに興じ、自己満足に溺れていた。

自分の浅はかさ、愚かさに胸を押しつぶされながら、言葉を絞り出す。

惨めだった。

恥ずかしかった。

その思うを押し込み、女性の反応に怯えながら、全てを吐き出した。

女性は、一言も非難せず、ただ静かに聞いてくれた。

 

 

いつしか、自分でも気づかないうちに、手と声の震えが止まっていた。

長い間胸に閉じ込めていた感情が、一気に解放される感覚だった。

それは、自分を否定することなく、自分を受け入れてくれる誰かがいるという安堵感だったのかもしれない。

 

 

「あなたの債務整理は可能です。」

彼女はそう言った。

その声は優しく、心強いものだった。

瞬間、私の胸の中に希望が生まれ、借金の重荷が少しだけ軽くなったように感じた。

 

 

 

解放への道

 

 

私は少しの安堵とともに、電話を切った。

女性の声が頭から離れず、次のステップへ進む勇気を与えてくれた。

 

 

すぐに処理に入ってくれると彼女は言っていた。

書状の発射、着弾とともにあの恐るべき波状攻撃が停止するとのこと。

私の戦意を悉く崩壊させてきた波状攻撃。

運よく着弾前に放たれたそれにも、彼女は対抗手段を残してくれた

「債務整理を依頼し」

伝えるだけで書状と同じ効果を相手に与えてくれる。

伝家の宝刀とも言うべきそれは、着弾前の小競り合いに対して、絶大な効果を発揮した。

 

 

しかし、一つの懸念があった。

資金である。

相手は私を怯えさせてきた相手も黙らせる弁護士事務所。

当然、彼らの専門的な支援に対して料金が発生する。

事前情報からある程度必要な資金はわかってしまう。

支払はどうすれば良いのだろうか?

そんな懸念が頭をよぎった。

 

 

しかし彼女はもう一つ、心強い情報をのこしてくれた。

分割で可能だという。

着弾から、相手との和解までには半年程度かかるとのこと。

半年間で分割なら十分支払は可能だ。

ひいては、弁護士事務所のてを離れた私が、その先も戦っていけるかどうかの意味合いも含まれているという。

その言葉に、僕は再び希望を感じた。

 

 

数日後、私は弁護士と通話による面談を持った。

弁護士の声は力強く、また女性の声と同じように、優しかった。

彼もまた、僕の債務整理が可能であることを伝えてくれた。

 

 

その時、私は初めて、絶望的だった自分の状況から解放されることを実感した。

未来が見えなかった私の戦況に、新たな道が開けたのだ。

 

 

 

新たな始まり

 

 

新緑も色を濃くし、蝉の声と共に夏の気配を感じる頃。

ついに、私は待ちに待った連絡を受け取った。

「債務整理が完了しました」

弁護士事務所からの報告だ。

形勢は逆転。

瞬間、私は何とも言えない、それでいて、全てが報われたような感覚に包まれた。

これからは私の反撃である。

 

 

半年前、私はどうにもならない返済額に苦しんでいた。

まさに「借金で首が回らない」状態であった。

しかし今、その月々の返済額は半分にまで減っていた。

それは半年間支払い続けてきた分割の弁護士費用を下回っていた。

 

 

さらに、過剰金が発生していたのは嬉しい誤算。

それは14人分の福沢諭吉、つまり14万円。

返済に回しますか?返金しますか?

ありがたく、返してもらうことにした。

愛車の税金、車検に頭を悩ませていた時期であった。

 

 

これからは実際に反撃していくことになる。

6年間。

6年という時間は長い。

小学校に入学した子供は卒業する。

 

 

その間、僕の人生には色々な出来事があった。

良いことも悪いことも、大きな出来事も小さな出来事も。

しかし、それはまた別の話だ。

 

 

かくして私は僕は新たな戦局を迎えた。

暗く長い、先の見えない闘いは終わりを告げ、新たな戦いが始まる。

それは愚かな行動をしない限り、勝利が約束された私の返済劇である。

 

 

 

 

習得した教訓

 

 

あれから6年後。

返済生活を考えると、10年では収まらないかもしれない。

私の借金は、ついに完済された。

終戦である。

長い道のりだったが、今思えば、短くもあったかもしれない。

途中で困難に遭遇したこともあったが、その詳細はまた別の機会に話すとしよう。

 

 

債務整理を経験して、私の考え方は変わった。

それは、反省の時間が与えられたからだ。

何故借金を背負うことになったのか、その理由を深く反省した。

先の大戦は両軍に甚大な被害をもたらした。

利益を得たのは、私が縋った弁護士事務所だけだろう。

私は生活そのもの。

相手は得るはずだった利益を丸々失った。

しかし得たものもある

 

 

借りたお金は自分のものではない。

これは当然のことだが、当時の私にはそのことが理解できなかった。

多く借りても多く返済すればいい、という浅はかな考えが私を借金地獄に追いやった。

 

 

「ご利用は計画的に」

この短いフレーズは、私が実体験を通じて理解し、得た深い教訓だ。

結果として、返済の途中からは僅かながらも貯金ができるようになった。

それは、私自身が身を持ち直した結果だ。

 

 

今では、お金は借りないに越したことはないと心から思うようになった。

しかし、それは絶対的なルールではない。

車や住宅、教育ローンなど、必要に応じて借金をすることもある。

 

 

だからこそ、私が皆に伝えたいメッセージは、「ご利用は計画的に」だ。

その言葉の中には、私の6年間の経験と教訓が詰まっている。

 

 

この長い戦いの果てに、私は新たなスタートを切る。

この教訓を胸に、これからの人生を進んでいこうと思う。

その人生は、かつての私が考えていたような甘いものではないかもしれない。

しかし、それは確かに自分自身で切り開いた、新たな道だ。

 

もう一度言っておこう

 

 

「ご利用は計画的に」

 

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