任意整理中でも「どうしてもお金が必要になる瞬間」があります。
私の場合は、和解が成立して返済を始めてから半年ほど経った頃でした。
ようやく生活が落ち着きかけていた矢先、古い車の修理費が約20万円。
さらに車検が重なり、合計で30万円近くが必要になってしまいました。
「ブラックでも借りられる」広告を信じて相談した
当時の私は、まだ生活を立て直せていない状態でした。
「債務整理 借り入れ」「審査が甘い」「ブラックでも借りられる」といった言葉で検索し、いくつかのサイトを見つけました。
紹介されていたのは、中小の貸金業者ばかり。
名前はもう覚えていませんが、どれも「過去に債務整理していてもOK」という言葉が目立っていました。
藁にもすがる思いで電話をかけ、正直に任意整理中であることを伝えました。
結果は――「申し訳ありません、今の状況では難しいです」。
審査に進む前の段階で断られました。
そのときは理由も聞けず、ただ「やっぱりか」と思っただけでした。
自分で調べて知った「総量規制」という壁
「なぜ断られたのか」。
その理由を調べる中で、初めて『総量規制』という言葉を知りました。
総量規制とは、年収の3分の1を超える貸付を原則禁止する制度のことです。
これは消費者金融や信販会社など、貸金業法のもとで営業する業者すべてに適用されます。
🔸総量規制の基本ルール
- 年収の3分の1を超える金額は借りられない
- 任意整理中・債務整理中は「借入総額」に含まれる
- 例外は住宅ローンや自動車ローンなど特定の目的ローンのみ
つまり、任意整理で返済中の私は、すでに「年収の3分の1以上の借入を抱えている」とみなされ、
新たな借り入れは法律上できない状態だったのです。
断られて感じた安堵と、後からわかった「貯蓄の意味」
断られた瞬間は悔しさや焦りがありましたが、
同時に「断られてよかった」という思いもありました。
もしあの時、無理に借りられていたら――。
間違いなく返済が滞り、任意整理そのものが崩れていたと思います。
最終的には、車屋さんに頭を下げて、
修理代を分割で支払わせてもらうことで乗り切りました。
あの経験で痛感したのは、
「借りられない」ことよりも、「備えていなかった自分」の問題でした。
そして、どんな状況でも少しずつでも貯蓄をしておくことの大切さを知りました。
任意整理中は「借りない」前提で生活設計を
任意整理中は、どんな広告や口コミを見ても、
新たな借入ができる可能性はほぼゼロです。
「審査が甘い」「ブラックでもOK」と書かれていても、
実際には総量規制の壁を超えることはできません。
本当に助けが必要なときは、
弁護士や司法書士など、専門家に相談するのが最も安全です。
そして、もしあなたが任意整理を考えているなら、
「もう借りない覚悟」と「非常時の備え」をセットで考えておくことをおすすめします。